【マンホールで知る町自慢】No.014 岐阜県多治見市

多治見市は岐阜県の美濃地方(南東部)に位置し、陶磁器生産の国内シェア約6割という美濃焼の産地。最近では真夏に最高気温40.9度を記録した「日本一暑い町」としても有名です。
そんな多治見市のマンホールの絵柄は美濃焼とキキョウの花。

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多治見駅構内にある巨大陶器壁画(加藤幸兵衛作『ひびきあう声』)

 

多治見の美濃焼は日本の食器シェア1位

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彫刻家・恵藤健一氏による作品「陶都多治見」

美濃焼は、岐阜県美濃地方の多治見市・土岐市(ときし)・瑞浪市(みずなみし)・笠原町で生産される焼き物の総称。
この地域は焼き物の原料となる陶土や窯の燃料となる材木が豊富で、美濃焼は1300年もの歴史を誇っています。とくに多治見市は食器類の生産全国シェアの5割以上を占める陶都になっています。
多治見市からは荒川豊蔵 (1894〜1985)、加藤卓男 (1917〜2005)という2人の人間国宝(重要無形文化財保持者)も輩出しています。

歴史漫画『へうげもの』ゆかりの地

戦国武将でもあり茶人でもあった古田織部(1543〜1615)を主人公として描いた歴史漫画『へうげもの』。
茶道の伝統にとらわれず、創意工夫を凝らした「織部好み」は有名です。そんな美濃焼のグランドデザイナーでもあった古田織部の「自由で斬新な発想」を、現代の町づくりに取り入れた「本町オリベストリート」も多治見の町に花を添えています。
この「本町オリベストリート」をメイン会場にする『たじみ陶器まつり』(毎年4月第2週の土・日曜)は、全国から例年約15万人が訪れる一大イベントになっています。

多治見市陶磁器資料館

多治見市美濃焼ミュージアム

また、「多治見市美濃焼ミュージアム」では、奈良時代の須恵器から現代のニューセラミックスに至るまで、1300年にわたる美濃焼の歴史を詳細に解説。ミュージアム内の立礼茶室では、人間国宝の加藤卓男氏など美濃を代表する陶芸作家の茶碗で抹茶を味わうこともでき、至福の時間を過ごすことができます。

市の花はキキョウ

中世の豪族、美濃源氏土岐氏の家紋が桔梗紋(ききょうもん)で、その一族で美濃国土岐郡多治見(岐阜県多治見市)を治めていた鎌倉時代末の武将・多治見国長(多治見では人気の武将で『多治見まつり』ではメインを務めます)も桔梗紋を用いていました。
多治見市は昭和57年にキキョウを「市の花」に制定。マンホールの絵柄にも採用されています。

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キキョウ(桔梗、Platycodon grandiflorus)キキョウ科の多年性草本植物

マスコットキャラクターは「うながっぱ」

「うながっぱ」は目下売り出し中の多治見市のマスコットキャラクター。
多治見市は平成19年8月16日、当時の国内最高気温40.9度を記録。「日本一暑い町」をアピールして観光誘致をと「うながっぱ」が誕生しました。
キャラクターのデザインは、アンパンマンの作者やなせたかし。多治見市の名物うなぎと『皿を割られたかっぱ様』(たじみかっぱ物語)の話を起源としたカッパがモチーフとなっています。ちなみに、「日本一暑い町」としてのライバルは埼玉県熊谷市、毎年、最高気温の競い合いもヒートアップしています。

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JR多治見駅南口前の「omiya(おみや)」は「うながっぱ」の関連商品を扱う専門店

 

世界一のセラミックスタウンへ!

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JR多治見駅前で見つけたデザインマンホール

マンホールの絵柄をよく見ると、上下の陶器は微妙に違います。下部の伝統的な茶碗、花瓶に加えて上にはティーカップ。日常使いの生活に根ざした食器ですが、和洋を問わずに生産する陶都、多治見ならではの絵柄といえます。
実は、陶磁器はセラミックスの一部で、つまりは多治見市は世界一のセラミックスタウンともいえるのです。

このマンホールの絵柄も、そんなプライドを反映しているのです。

ABOUTこの記事をかいた人

たけだゆきえ

(一社)プレスマンユニオン事務局長。 全国を取材するかたわら、デザインマンホールに注目しています。なぜなら、そこには郷土の自慢が凝縮されているから。何気ない足下のマンホールが、実は地域活性にとって重要な役割を担っていることから、ウエブマガジン「マンホールStyle」を運営中です!